今日はMOTUのMachFive3にて書いてみようと思います。
発売からだいぶ経っていますので今更感があるのですが、機能を全然使いきれていなかったことに最近気づきました。
そもそもマークファイブはマルチ音源という扱い方もできますが、本来はソフトサンプラーなんですね。
過去に買ってはいたけどもう使っていないという人や、こんな使い方できる音源を探していたという人向けに。
DJやサンプリングミュージック、テクノ好きな方にも参考になれば。
前半は独り言だと思って、とばしてください笑
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MOTU MACHFIVE3
マークファイブ3というだけあって、1・2を超えて進化してきました。
アップデートも2014年で止まっており、安定した動作が保たれています。
同じMOTU社のDigital Performerを10にアップグレードすると、MachFiveに付属していた音源がUVI Workstationで使えるようになりました。
ですから2019年になった現在、音源として購入する人は少ないでしょう。
それでも今、使える機能があるんです。
マルチ音源としてのMachFive
MachFive1が発売された当時、SC-88のようなGM音源に代わる高品質音源としてハードからソフトへ以降し始めた記憶があります。
General MIDIが付属していたため、過去のデータを再生することができました。
現在でも上記の画像にあるように、マルチで使える音源が揃っています。
MachFive3になると、その他に個別音源が追加されました。
・MachFive 3 Biosphere(シンセサイザー)
・F Grand 278(グランドピアノ)
・JBass(ジャズベース)
・Mark79(ビンテージシンセ)
・Percussiv(パーカッション)
・StarDrums(ドラム)
・Telematic(エレキギター)
・The Upright(アップライトベース)
・Xtreme FX(サウンドエフェクト素材)
発売当時2011年では結構使えていたものの、今では私も他の音源に乗り換えてしまいました。
本来の機能『サンプラー』
ここからが本題です。
もともとMachFiveはサンプラーなんです。
音源としても使用できますよ、と言った方が性に合っているんじゃないでしょうか。
当時のDTMは音がショボかったので、サンプラーがとても大事な位置付けにありました。
代表的なサンプラーといえば「AKAI S2000」などですね。
今は販売されてませんが、結構高価なものでした。
録音した音などをサンプリングして再生させるんですが、パソコンのスペックが低かった時代のアウトボードでは大活躍していました。
こんな話で喜ぶのはおっさんだけなのでこのくらいに。
機材を買わなくてもソフトでできちゃうようになったので、サンプラーもソフトとして普及している。
かと思いきや、そうでもないんです。
ソフトサンプラー
ソフトサンプラーは現行で2つ
・MOTU MachFive3
・STEINBERG HALion 6
Digital PerformerならMachFive、CubaseならHALionを選ぶ人が多いのではないでしょうか。
サンプラーはなんと言っても独特の音の劣化にあります。
イギリスのテクノユニット「The Prodigy」もサンプラーを駆使したサウンドで一世風靡しました。
現在では一般的にDJが使っている、というイメージがありますね。
パッドという大きなボタンを叩くと音が出るんですが、あれもサンプリングです。
MachFiveのサンプラー機能
今回はループ素材を使って分割し、MIDIで鳴らしてみます。
サンプリングCDやループ素材などを用意し、MachFiveで読み込みます。
オーディオの波形が表示されます。
鍵盤のC3が素の素材の音です。
それを基準に鍵盤左側はスローに、右側は早送りのようなスピードで再生されます。
素のループ
鍵盤のC2(遅く低くなる)
鍵盤のF3(早く高くなる)
波形の左上メニューから「Slice」を選択します。
操作画面が変わりました。
波形に縦の線があるのがポイントです。
「Sensitivity」のスライドを左にすると波形の縦のラインが減り、右にすると増えます。
この縦の線は、その箇所で波形を分割するという意味です。
サンプルを細かくしたり大きく分けたりと、使用目的に合わせて調整を行ってください。
波形右下の鍵盤マークをクリックします。
今回は大きめにスライスしました。
縦線の箇所でスライスされたサンプルが、順番に鍵盤に割り振られています。
鍵盤を左から順番に弾いていくと、先ほどのループが出来上がります。
このスライスはやり直しができます。
またMIDIシーケンス画面へドラッグ&ドロップできますが、ご使用のサンプルの小節数を設定してから行ってください。
Signature:拍子
Bars:小節数
Beats:拍数
BPM:テンポ
今回のサンプルは4分の4拍子、1小節、テンポ155と入力します。
波形右下の8分音符マークをシーケンス画面へドラッグ&ドロップします。
ピアノロールはこんな感じです。
これを再生すると、素のループと同じようになります。
サンプリングスライス後
さて、ここからがサンプラーとしての醍醐味になるわけです。
ループ素材はパターンが多く収録されていれば、選んで使用が可能です。
1つしかないループ素材は、やはりワンパターンのループになってしまいます。
サンプラーは素材を分割して鍵盤を押さえた箇所を発音させますので、このMIDIノートを入れ替えてしまいましょう。
例えばこんな感じで。
再生するとこうなります。
MIDIノート組み替え
まとめ
ハードウェアのサンプラーを使っていた方は懐かしく思うかもしれません。
DTMのシーケンスソフトでも波形が弄れますが、もっとクリアな音質になっています。
サンプラーの劣化音は独特で良い味を出していますので、こんな音質が好きな方にはぜひサンプラーを使ってみていただきたいですね。
クラッシュシンバルを録音してサンプラーでリバース再生したり
ドラムの音をサンプリングして自分だけのサンプラー音源として使ったりと、様々な使い道があります。
ワンフレーズのギターをサンプリングして、再生させるのも面白いです。
音が綺麗すぎる時にも活用できますよ。
サンプラーを使って作った曲です。
テクノによく合いますね。
ストリングスなどの繊細な音に、ぶっ潰れたブレイクビーツ
空間系のサウンドエフェクトをサンプリングして劣化させた空気感
生のサウンドに融合しやすい定ビット音質のサンプリング
完全に趣味、好みですが・・・笑