このところブログをサボっておりました。
今や自宅でレコーディングができちゃう時代。
多様性がある分、知識量が必要になる。
専門的な学校に行かずともネットがあれば知れちゃうのも時代の賜物。
録音したデータの処理の仕方の一部をご紹介します。
今回は初心に返って、DAWに関する基本的な作業の一つ「Compressor(コンプレッサー)」の使い方を書いていこうと思います。
ノーマライズもセットで覚えましょう。
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コンプレッサーとは
コンプレッサー、通称コンプと言いますね。
DAWで扱うオーディオの処理にはコンプレッサーをよく使います。
読んで字のごとく「圧縮」なんですが、なぜするのか、どういうときにするのか。
といった基本的なことをまとめてみました。
音量の大小を抑える
歌を録音したり、ナレーション録り、ギターなどの楽器を録音したり様々あります。
こうして録音したオーディオデータ、いわゆる波形と言われるデータはこんな感じだったりします。
上記の波形データはナレーションを録音したものです。
ギザギザした黒い物体がうじゃうじゃしています。
真ん中の線が0として、縦に伸びているほど音量が大きくなっています。
ピークに気をつけよう
録音した段階でこの波が天井に当たっている(ピーク)と、「音割れ」の原因になってしまいます。
録音する際はピークを超えないように気をつけましょう。
使用する機材によりますが、ピーク時は赤く点灯してくれますので視覚的にも分かりやすくなっています。
音の大小が波となって表示されています。
基本的にこの大きな波の部分を、抑えてあげる作業をするのがコンプの役目です。
コンプレッサーの使い方
「コンプをかける」とよく言いますが、まず用語がわからなかったりしますよね。
だいたいどのコンプも同じような機能が付いていますが、つまみ一つだけのものや、さらに複雑なものもあります。
基本は同じなので、一つずつ理解していけば問題ありません。
まずはそれぞれの名称から説明していきます。
・Threshold(スレッショルド)
・Ratio(レイト)
・Attack(アタック)
・Release(リリース)
・Gain(ゲイン)
Threshold(スレッショルド)
スレッショルドのメーターは初期値は0、単位はデシベルです。
ここからマイナスしていき、コンプをかける深さを指定します。
0のままだと変化はありません。
-10くらいまでが自然な変化。
-20を超えると潰れたような不自然さな仕上がりになります。
生演奏がメインでしたらなるべく浅くかける方がベターです。
トランスやEDMのようなサウンドは、潰れていた方が迫力があって効果的になります。
ジャンルによってかけ方が変わってきます。
Ratio(レイト)
スレッショルドで設定した値を波形が超えてしまった場合に、どれくらい適用するか、がレイトの役割です。
初期値は0ですが、「何分の1にするか」という値になりますので0=1ということになります。
レイトの値が3の場合は、スレッショルド値を超えた音量を3分の1に抑えてくれる、ということです。
Attack(アタック)
波形の圧縮にかかるまでの時間をアタックで設定します。
単位はms(ミリセカンド)。
ストリングスのような緩やかな波形の場合は、徐々にかかるような設定を。
打楽器などのリズム楽器は、瞬間的な発音になるためアタックタイムを短く設定します。
タイムを短くし過ぎると、急に音圧が変化して不自然になるので気をつけましょう。
Release(リリース)
スレッショルド値を下回った波形に対し、滑らかにしてくれる機能です。
単位は同様ms(ミリセカンド)。
コンプの適用箇所が急激にオンオフされないように、ある程度維持してくれます。
リリースタイムが短過ぎると不自然になります。
Gain(ゲイン)
コンプレッサーの機能がどれほど適用されているか、を測るメーターです。
ゲインにつまみがある場合は、コンプしたオーディオの出力を設定できます。
コンプをかける
先ほどの波形データに対し、コンプレッサーをかけてみます。
Threshold -13
Ratio 3
Attack 13
Release 160
を適用しています。
振り幅が少なくなりましたね。
お次は打楽器の波形です。
打楽器特有の瞬間的な発音が目立っています。
先ほどと同じ値をかけてみます。
Threshold -13
Ratio 3
Attack 13
Release 160
うーん。
まともだったのでAttackを1にしてみました。
さらに潰れましたね・・・(*゚▽゚*)
ノーマライズを忘れずに
ノーマライズとは、音量適正化といって振り幅の限界値0デシベルまで引き上げてくれる機能です。
どのDAWにも標準搭載されていますので探してみてください。
波形にコンプをかけると、出過ぎた音が圧縮されて全体的に小音なります。
ですが、振り幅はまだあるのに小さいままでは勿体無いんです。
ミックス作業にはコンプの他にもプラグインを複数使います。
機械的に音量をあげるよりも元から音量がある方が作業が楽になりますし、CPU負担の軽減にもなります。
ノーマライズは音量を最適化するだけですので、全てに適応させてもいいでしょう。
先ほどの打楽器の波形をノーマライズしてみましょう。
↓
だいぶ黒くなりましたね。
1枚目の波形の振り幅が0デシベルまで引き上げられました。
コンプで潰したのになぜ?
振り幅が大きいところが0デシベルまで引き上げられたと同時に、小さな振り幅も大きくなっていることが分かります。
コンプからのノーマライズは、そのオーディオデータの音量を底上げすることができるんです。
プラグインの前かけと後かけ
上記のようにオーディオデータは必ずコンプをかけなければいけない、なんてことはありません。
オーディオ処理は意図があって行います。
音量差が大きい波形はコンプをかけておいた方が後々楽になりますし、かけながら録音するケースがほとんどです。
コンプを通すことで音に厚みが出たり、艶が出たりしますので、全てにかけちゃう人もいます。
私の場合は全てに軽くコンプをかけてからミックスしています。
プラグインをかけてから作業をするか、それともリアルタイムでかけながら作業をするか。
ってことも大事だったりします。
ガチガチに処理してしまったオーディオトラックは、融通が効かなくなってしまいミックスが大変になるというデメリットがあります。
コンプだけかけておくのもアリですが、かけ過ぎには注意しましょう。
基本は「ちょっとのコンプとノーマライズ」です。
お使いのDAWソフトに付属のコンプに慣れてきたら、製品版のコンプがオススメです。
下記のWaves Horizonバンドルはセールをよくやっている3万円前後が狙いどきですよ。
ノーマライズ後処理について
ノーマライズをすると全体の音量が最適化される。
というお話をしましたが、注意点があります。
「録音時のノイズまでも大きくなる」ということです。
中央線の沿って存在する点々はノイズです。
これらのノイズは録音時に入らないようにするのが基本ではありますが、環境によっては仕方のないものです。
この部分だけをカットする手法もありますが、音の鳴り始めに違和感が残ってしまいます。
やはりプラグイン等でノイズカットをするのがベターではないでしょうか。
綺麗に消えました!
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